ギター上達コラム

     第40回 つの挑戦を持っているか

 

クラッシックギターに関わるようになり、プロとして人前で演奏するようになってから求め続けてきたテーマ2つある。

「人の心に染みる音色の追求」と、

「クラッシックギターの技術を超えてその魅力を聴く人の心に届ける」新年を迎え、2つのテーマは、なお一層明確に私の意識にのぼるようになった。この道は、どこまでいっても終わりのない万丈の一本道。言葉だけでなく「一歩一歩」「こつこつ」を厭わず、実際の行動として日々努力し続けるためには、覚悟が必要だ。迷い悩みながらも時々の出会いやご縁に助けられ、何とか乗り越えて今日があることの奇跡に心から感謝している。

 

近頃は、コンサートの度に「半世紀にわたって…」とか、「真摯に且つ情熱的にクラッシックギターに関わり続け、今やギター界の重鎮として…」とか、「飽くなきセゴビアの研究者であり、音色に対して揺るぎないこだわりを持つギタリスト…」等と紹介されることが多くなった「ああでもない。こうでもない」と悩みながら、すでに半世紀以上が経っていることを実感させられる瞬間である。気がかりや拘りを諦めず、「よりよいものを」と求め続けてきた事が、賞賛の言葉として贈られる年齢になってきたということだろう。だが、紹介される度に思わず“ギョッ”とするが笑うしかなくて、“まだまだ、こんな程度で…”と恥じ入る心がある。一方で“自分が人生をかけて求めてきたものが、ようやく、ようやくこの手に届くところまで来ている!”という感覚が、胸の奥深くで激しく波打つのも確かなのだ。

 

2つの感情が激しく交錯する中で、今年の力をどこに持っていくのか。そんな思いの中に飛び込んできた言葉がある。

「一つの挑戦を持っているか」そう問われて、「もちろん!」と力強く答えられる人になりたいと願う。「挑戦する」ことに関しては、コラムにも何度か書いてきた。「挑戦すること」は、人を成長させる最も強いエネルギーになると信じているからである。今年、私もまた「一つの挑戦」をする。「ギターとバレーとのコラボ」である。昨年UGA」の活動を通して、多くの人と繫がることができた。クラシックバレー学校の校長「諏訪氏」もその一人である。バレーとのコラボは、彼からの提案である。728日(土)豊田市市民文化会館小ホールで実現する運びとなった。

 

独奏が中心の演奏活動が多い中、「歌とギター」や「ギター合奏」など新しいことにも挑戦してきたが、クラッシックバレーとの共演は初めてである。私のギター生演奏に合わせてバレリーナが躍るという「創作バレー」への挑戦である。初めての経験ではあるが、快く引き受けた。昨年コンサートを開催した「Rosa薔薇館」では、フラメンコ踊りのメロディー部分を受け持つコンサートの企画が、617日(日)の予定で進んでいる。

「表現」の違いを超えた音楽を通して、私自身が学ぶことは多いはずだ。やったことがないことを理由に、逃げるのではなく「一つの挑戦」として楽しむ心で臨みたい。

 

今年も、「JUGA」の活動を通して会員の皆様と共に繋がり、共に成長していくことができるなら、主催者としてこれ以上の喜びはない。

                     2018.01.01

                                            吉本光男