協会便り    2016年10月号

 第5回「ティータイム・ギターコンサート」盛会の内に終わる

 

 9月22日(木)、雨上がりの緑鮮やかな豊田会場に28人が結集。

第5回「ティータイム・ギターコンサート」が盛大に行われた。

1部(ギター独奏)・2部(弾き語りと二重奏)、4人の初出場者を含めて15組の挑戦者が集い、日頃の練習成果を披露し合う事が出来たことを嬉しく思う。ギター独奏だけでなく、弾き語りや二重奏も、舞台に上がるだけで緊張し練習時の5割から7割程度の演奏になってしまうのが常である。それでも、出場することに意義を見出し、最後まで粘り強く演奏曲と格闘している皆さんの姿に挑戦者としての誇りを感じ、大きな感動を覚えた。

 

 ファリャの「スペイン舞曲第1番」を弾いた村松・堀組の二重奏は、

ティータイム・ギターコンサートの最後を飾るに相応しい圧巻の演奏であった。激しいスピード感は勿論のこと、舞曲としての優雅さを意識した曲作りがそここに際立っていた。細部に至る仕上げをして次の機会までにはもっと良い演奏に!と、次への挑戦に闘志を燃やす2人の志の高さはあっぱれである。11月の「小さな美術館でのプレ・クリスマスコンサート」では、納得のいく演奏になるにちがいない。

 

 会の終わりに請われて、サロンコンサートに向けて仕上げ中のカルドーソの「ミロンガ」とスカルラッティーの「ソナタホ短調」を弾いた。プロとして円熟の演奏を期待される中で演奏するというのは、何度やっても緊張するものだ。「ミロンガ」の心躍る旋律の魅力を十二分に発揮出来たかどうかは聴いてくれた聴衆の皆さんの感性に委ねるとして

「ティータイム・ギターコンサート」で会長自らがゲスト演奏するという事態は恒例となりつつある。

 

 「聴衆賞」は、私の教室に通うようになってもうじき3年が経過しようとしている板倉千尋さんに決まった。「演奏では足が震えた」と心境を語っていたが、皆に支持されるだけあってとても気持ちの良い演奏であった。彼の演奏へのひたむきな姿勢は、目を見張るものがある。

教室では指導の言葉を毎回録音したり、指の動き方を撮影したりしてそれを持ち帰り、何度も聴いて確認、見て確認の練習をしている。3年目にしてバリオスの「アルゼンチン・サンバ」を雰囲気ある演奏をし、聴衆賞を取ったというのも頷ける話である。

 

 2部終了後の交流の場では、お互いの近況や最新情報交換の場として有益な時間を共有することが出来た。「日本ユニバーサルギター協会」が、ギター愛好家同士の縁を繋ぐと同時に、ゆっくりとではあるがその輪を広げているという確かな実感を持つ事が出来た。

 

 10月9日には、第2回「JUGAアマチュアギターコンクール」がスタジオ・フィオリーレに於いて開催される。10人の挑戦者のうち2人は

「ティータイム・ギターコンサート」をコンクールへの準備段階と位置付けて出場し、心技体を整える為の努力を続けている。準備を万端に整えつつ、コンクールの開催日を心待ちにしている挑戦者たちの志に万感の拍手を送りたい。そして当日は、これまで頑張ってきた自分の努力を信じ、力を出し切って演奏して欲しいと願っている。

                        2016.10.01

                                                                           吉本光男

「ティータイム・ギターコンサート」聴衆賞受賞者  

   第1回 浮海祥治  2014.11.16

 第2回 嶋田うらら 2015.03.15

   第3回 山口研一  2015.09.20

   第4回 塩野崎均  2016.03.20

   第5回 板倉千尋  2016.09.22